ロゴ

【失敗しないデザイン料金の決め方】賢いデザイン料金の交渉術【現役広告営業が語る相場観】

グラフィックデザイナー 仕事・働き方

こんにちは、さる基地(@sarukichi2019)です。

・デザイン料金の決め方がわからない
・デザイン料金の相場は?
・デザイン料金の交渉が苦手でよく金額を叩かれてしまう
・金額を伝える時に言いにくい

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

・デザイン料金の一番賢い決め方は「提示しないこと」
・交渉の目的を「デザイン料金」ではなく「クオリティ」に置く
・デザイン料金の差で制作モチベーションを変えるべきではない
・体験例)デザイン料金には、デザイン料金以外のことも含まれている
・それでもデザイン料金の相場を知っておきたい人のために

先日こうツイートしました


現役広告営業の僕が一番おすすめするグラフィックデザイナーの「デザインの料金の交渉術」は『相手に金額を委ねること』です。

この理由を掘り下げます。

デザイン料金の一番賢い決め方は「提示しないこと」

どういうことかと言うと、デザイン制作をする際に必ず「いくらで?」と交渉や相談がありますよね。その時に相手に「決めてください」と伝えるだけです。

「決めていない」ではなく「決めてください」というのがポイントです。

実際に金額が決まっていないと相手は困りますが、「決めてください」という感じで相手に値段を決めてもらう。委ねるのがポイントです。

あくまで自分の腹に金額は持っているんだけど、「あなたの言うことに従いますよ」と「金額面と主従関係と一挙に握ってしまう」という中々ニクイ交渉術です。

前提としてデザインは金額への換算が難しい

デザイン費を考える時、営業であれば

デザイナーから10万円でデザインを仕入れてクライアントに12万円で販売する。

こんな感じで基本は「どれだけ利益が欲しいか」なので、計算はそんなに難しくないです。

でも、デザイナーだと金額の考え方が少し難しくなるはずです。

【時間単価で計算する場合】このデザインを制作するのに自分では何時間かかる
【セオリーや相場で計算する場合】このサイズのデザイン物なら一般的に◯万円くらいかかるから

上記の2種類に大別されると思います。でも人によって作る時間も違うし、クオリティも違いますよね?

仕事の速いデザイナーなら制作時間も少ないかもしれませんし、仕上がるデザインも相手によっては「このデザインのクオリティで、◯万円は高いよ」って思われることもあると思います。

デザイン料金が決めにくいと言われる所以です。

グラフィックデザイナーがデザイン料金を自分で決めてしまうと不利になるケースが多い

例えば、チラシのデザイン制作がA4両面で10万円だったとします。

デザイナー側としては、1時間@2万円で5時間かかるからという理屈で金額を提示しました。一方相手は「(じゃあ、10万円分の仕事はきちんとしてくれるよね?)」と当然思います。相手が仕上がったデザインを見て

「こんな良いデザインがたった10万円で作ってもらえるなんて感激!」
「この仕上がりで、、10万円??ちょっと高くないか・・・?」

どちらのリアクションになるでしょうか?前者ならいいけど後者だと・・あなたの提出するデザインは果たして前者の印象を与えることができるでしょうか?

人は必ずお金を払う際に商品やサービスなど「金額に見合っているか?」という視点を持ちます。

デザインは特に「人の感性」に影響されるものです。
感性の高い相手であれば、デザインの魅力や素晴らしさを分かってくれるかもしれませんが、誰もがそうした感性を持ち合わせている訳ではありません。

広告営業の経験上、クライアントにデザイン費を請求する際に「デザイン費」の価値を分かってもらえないケースは割とあります。(まあ、これは営業の怠慢ですが・・w)

交渉の目的を「デザイン料金」ではなく「クオリティ」に置く

そんな時は、交渉のポイントを「デザイン料金」ではなくデザインの『クオリティ』に置きます。

このデザインの金額はアナタが決めてください」という交渉をすることで、相手に価値を決めてもらうのです。

バクチに見えそうなこの交渉は、案外で通用します。なぜなら相手も普通に「ビジネスの常識人」だからです。

こう言われた相手は、たまったもんではありません(笑)デザインの価値がわからないと金額なんてつけれないですから。

そうなると相手の論理としては、予算の中で折り合いつけるしかないのです。

全体の予算の中で計算して・・・デザインに掛けれる費用は◯万円だと。

こういう思考に相手がなってしまえば、もう半分交渉は勝ったようなものです。相手は自分でデザインに対して値付けをするのです。「じゃあ、◯万円でお願いします」と。

この時点で相手は、自分が決めた金額以上の要求ができなくなります。

相手に金額を言わせると有利になる

上記のプロセスを踏んだ場合は、相手の中で「金額の折り合いが付いた状態」ですので「◯万円のクオリティのものが出てくればOK」となります。

金額も自分で決めてますから「◯万円以上の要求はできないな」と頭では理解してもらっている状態です。あとは、決まった金額に恥じないクオリティのデザインを作るだけです。

デザイン料金の線引(ライン)は曖昧でデリケート

デザイン業界あるあるですが、双方の理屈も正しくジレンマになることがあります。修正につぐ修正で完全に当初の時間がオーバーしてデザイナー的には大赤字。クライアントは、金額に見合った内容のものが出てこないからリテイクを要求する。こんな平行線を辿ることもしばしばです。

事前に金額が決まると同時にクオリティについても線を引いてもらえば、制作はスムーズに進みます。例えば、

クライアント)
ここを、こうできないかね?
デザイナー)
それだと、予算オーバーですね。
クライアント)
そうか・・・何とかならんかね?
デザイナー)
特別ですよ♪

という具合に一気にデザイナー側がイニシアチブを取れることもあります。

こうした暗黙の了解が得れていれば「グラフィックデザイナーが金額で困る」ケースはかなり減らせますし、お互いに気持ちよく仕事もできると思います。もちろん、デザイン料金なりのクオリティをあげることは大前提です。

デザイン料金の差で制作モチベーションを変えるべきではない

もう1点、デザイン料金が制作のモチベーションが決めてしまうこともあります。

例えば、10万円の仕事と100万円の仕事だと取り組むモチベーションが普通違いますよね。当たり前のことですが、これってあまり良いことではないです。

なぜなら、10万円の仕事も100万円の仕事もデザインをするという本質的な作業は同じだからです。

金額の小さくても大きくても仕事の内容はそこまで変わらない。
こんな経験ないでしょうか?

「小さな金額だから、この仕事はつまらないな」という金額でモチベーションに差があってはいけない。というのが僕の意見です。


とはいえ、人間目先に金額がちらつくと・・目が行きますよね( ゚д゚ )クワッ!! 

自分で金額を決めると、仕事もそれなりなってしまいますので、そうならないためにも相手に金額を委ねるのはアリかと思います。

体験例)デザイン料金には、デザイン料金以外のことも含まれている

私の例でいうと、とあるデザイン案件の相談をデザイナーにしました。説明を一通りして「デザイン料金の見積ください」というとデザイナーさんから「料金はそちらで決めてください」という返答がありました。

・・やられた(笑)と思いましたね。

そこで思ったことは

「一般的な相場だと◯万円くらいかな?」
「でも、相場より安いんじゃ・・・それで僕の案件がシケてんなとか思われたくないなw」

などです。女性とデートで食事へ行って、支払いの際に金額が思ったより高かったけど、後ろで見ている女性に「カッコつけたい」感覚と似ています。笑


これは見栄の話ですが、ビジネスでは普通にある話です。


「ビジネスなんだから見栄とか言ってんじゃねーよ」


はい。そうですね。でもね、ビジネスやってると『見栄』とかもう切っても切れなくてありふれてて、むしろ『見栄→攻略ポイント』だったりします。広告営業もデザイナーには良い得意先にだと思われたいです。腕の良いデザイナーなら尚更です。


そして、デザイン料金には「今後への期待」も含まれています。

・今後うちの仕事を優先的に選んで欲しい。
・僕の仕事には特別に力を入れて欲しい。

このあたりの願望も金額へ影響します。(上手な営業になると、この辺の読みを逆手に取ってデザイナーを調略しますw)


広告業界では腕の良いデザイナーは取り合いになります。金額ですべてが決まる訳ではありませんが、金銭面でのポジティブな印象は仕事の「やりやすさ」にも繋がってくるからです。

デザイン料金の相場を知っておきたい人のために

一般的なデザインの相場はを公開されている方がいました。
どうしてもという方はこちらをご参考ください。

»twitterで見つけたデザインの料金表


でも、あくまで相場は相場にすぎません。金額以上に労力がかかることもあります。また、往々にしてデザインなど技術料金は、一度見積として提出した金額は中々変更しにくいのが現状ですので注意も必要です。


やはり自分の中ではデザイン料金(腹)は決めつつ「相手に金額を委ねる」のがベストです。※信頼できる相手であることが前提ですよ。


仮に金額を委ねた結果、とんでもない金額(常識外の少ない金額)を提示された際は再度交渉すればいいと思います。本当に割に合わないと思えば仕事を降りるのもアリです。

主導権は、持たせつつ最後は「自分で持つ」コレが極意です。

とはいえ金額は決定してから作業しよう

なぜなら稀に想像もしないケースが起こることがあるからです。なので、相手に金額を委ねるとしても「仕事が始まる前」に決定しましょう。間違っても「最後に決めてもらえばいいですー」としないようにしましょう。

【まとめ】失敗しないデザイン料金の決め方→賢いデザイン料金の交渉術

まとめです。

  • デザイン料金の一番賢い決め方は「提示しないこと」→相手に委ねる
  • 交渉の目的を「デザイン料金」ではなく「クオリティ」に置く→相手にクオリティの線引をしてもらう
  • デザイン料金の差で制作モチベーションを変えるべきではない
  • デザイン料金には、今後の期待値なども含まれている

デザイン料金は相手に価値を理解してもらえば、収入を伸ばせるデザイナーの「伸び代」であり交渉の「切り札」です。苦手意識を持たずに積極的に向き合うことをおすすめします。

(完)